オペラの合唱その2
合唱の歌い方について
いわゆる合唱団の歌い方とオペラの合唱は少し違うという話です。
横一列にきれいに並んで響きを揃え、みんなと一体化する感覚を追求している合唱に慣れ親しんでいる人が多い気がします。
よくある話ですが、一人一人が自分の個性を消してできるだけ飛び出さないように周りに気を配り隣の人と自分の声を合わせることに安心し、喜びを感じるということ。みんなで1つにまとまる日本的な合唱です。
声楽の勉強をしながら合唱を歌う機会はたくさんあるでしょう。
音大でも合唱の授業はありますが、先生から響きを揃えてと言われることはありませんでした。もともとソリストのレッスンを受けている声楽の学生ですから、クラシックの発声で歌うことができるということと、その人らしさを消す必要がないからという理由です。
「ではそれぞれの人が勝手に自分の声で歌って良いのですか?」
と疑問に思うかもしれません。
オペラの合唱
オペラの舞台で合唱を歌う場合、多くは群衆の役として存在します。その場合、いわゆる日本の合唱団のように自分の個性を消して周りに合わせることよりも舞台上で生き生きと歌う方がいいのです。
合唱だからといって自分の声を抑える必要はないのです。
指揮者が声楽出身の人でオペラの指揮者の場合、のびのびと歌うことを要求されます。
そもそもソリストはオーケストラを飛び越えて客席後方まで届く歌い方をしなければなりません。
周りに気を使ってできるだけ隣の人と声を合わせようという歌い方ではソリストになれないのです。
合唱が好き
私も小学生の頃から合唱団で合唱を歌ってきました。高校の部活も合唱部です。
ハーモニーの中に自分の声がとけあう瞬間が好きで、それぞれのパートの声の厚みに魅力を感じていました。
また、オラトリオや宗教的なクラシックの合唱にも参加した経験があります。声楽のレッスンで身につけた歌い方で歌っても大丈夫でした。
問題は日本の合唱曲の場合です。
日本語特有の発音でソプラノは高い音、アルトは中音から低い音等特定の音域が続くことが喉に負担をかける心配があります。せっかくクラシックの発声法を勉強しているのに声帯の使い方が変わってしまうのです。合唱からソロの方向に転向するか合唱で進んでいくのか分かれ道です。